「本屋さん」北海道走る=書店ない地域、ワゴン車で

ネットでも本が買えるけど、やっぱり手に取って買った方がいいかも。

------------------------------------------------------------

インターネット通販の影響などで、全国的に書店の数が減少している中、書店のない自治体が約3割とされる北海道を、約800冊の本を詰め込んだワゴン車が走っている。「走る本屋さん」という名で始まった事業が、本が少ない環境の改善に一役買っている。

 運営しているのは一般社団法人「北海道ブックシェアリング」。販売だけにとどまらず、書店がなく図書館の整備も不十分な自治体の住民から、読書環境の改善に向けたニーズや課題を聞いて回っている。昨年4月以降、道内6町村を計20回以上訪れた。

 書店調査会社「アルメディア」によると、北海道の書店数は2000年の1006店舗から約4割減り626店舗(今年5月現在)。出版取次会社「トーハン」の調査では、道内188市区町村のうち約3割に当たる58の地域(7月現在)に書店がない。また、文部科学省が昨年発表した調査結果によると、学校図書館の標準冊数を達成したのは道内の公立小学校1052校のうち約35%の370校だった。

 書店がない自治体の一つの妹背牛町では8月6日、夏祭り会場で「走る本屋さん」が開かれた。友達3人と訪れた妹背牛小4年の関吉菜乃さん(9)は今回が2回目の「来店」。毎日本を読むといい、近隣の町の書店に親に車でよく連れて行ってもらう。「図書館には表紙の破れた本も多い。近くに本屋があったらうれしい」と笑顔で話した。

 会場にいた谷口亜由美さん(30)と娘(2)の住む秩父別町にも書店はない。本はネットで買うことが多いという。「絵本は子供と手に取って選びたい。赤ちゃんがいて車の運転が大変な人には特に便利かも」と話した。

 ブックシェアリングの荒井宏明代表(54)はこれまで、「図書館に読みたい本がない」という小学生や「小説だけでなく実用書も読みたい」という高齢者らの声を聞いてきた。「走る本屋」は11月で終了する予定だが、今後も「本を買いたいのに買えない人のニーズに耳を傾け、(読書環境を整備する活動を)息長くやっていきたい」と強調した。 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091100130&g=soc

■「本屋さん」北海道走る=書店ない地域、ワゴン車で

(時事通信社 - 09月11日 05:00)